立ち仕事といってもその種類は様々で、履いている靴もスニーカーや安全靴、パンプスやヒールなど職場に合わせて多種多様です。
ここでは足のトラブルの中で比較的多い、立ち仕事で足裏のかかとが痛いをインソールで快適にする方法を解説していきます。
- 足に合った靴にする
- 足の状態に合わせインソールを選ぶ
- 正しい姿勢と歩行を実践する
結論を言ってしまえば、このようになりますが、そう単純ではないのです。
文字多めにつき、ちょっと本気で悩んでいる方は最後まで読んでください。
すぐにおすすめインソールが知りたい方は「インソールの正しい選び方-足の症状別に効果のある中敷」をお読みください。
なぜかかとが痛くなってしまうのか?
まず、カカトがとにかく痛いことに悩んでいると思いますが、その主な原因を確認していきます。
原因は大きく次の3つに分かれます。
- 靴が足に合っていない
- 足のバランスが崩れてしまっている
- 先天的な足の疾患
靴が足に合っていない
当たり前のことですが、一番大切なポイントは「足に合った靴を履く」ということです。
靴が足に合っていなければ、たとえ小さな違和感も毎日の積み重ねで大きなトラブルへと発展していきます。
仕事の内容によっては履ける靴が決まっていて選べないという問題があることは承知しています。
しかし、その中でも絶対やるべきことは、サイズを正しく選択することです。
足をリラックスさせたり蒸れるのが嫌で、ゆったりしたサイズを選んでしまう方が多くいます。
しかし、足をサポート(固定)することができないようなゆとりは逆効果です。
例えば腰の調子が思わしくない時に、「腰サポートベルト」でしっかり締め上げるのと似ています。
足も適度に締め上げることで脚から上の身体全体のバランスを整えることにつながるのです。
足は建物の基礎のような役割をしていますので、しっかりした安定感を持たせるためには、適正なサイズの靴を履くことが重要です。
適正なサイズの靴とは、足の実寸に5mm~10mmの捨て寸(足指が動かせるゆとり)を持ちつつも、土踏まずからカカト周りにキュッと締りがあるものです。
足のサポート(特にカカトまわり)がしっかりしていることで、踵骨(カカトの骨)が正しい角度に立ちます。
そのため踵骨にもともと備わっているクッション効果で衝撃を吸収することができます。
つまり、カカトに受ける負担も減り、痛みの軽減につながるということです。
足のバランスが崩れてしまっている
筋力の低下や怪我、その日の体調によっても足の状態は変化します。
仕事をしても毎日十分に休めることが出来れば、疲れも蓄積されずリセットされるはずです。
しかし、一日中立ち仕事をしている方で特にパターン化された動きを続ける場合、偏った足の筋力の使用を強いられます。
そのため、休息をとってもリフレッシュされない部分が出てくることで、足、脚、身体全体のバランスを崩すことにつながります。
原因は環境にもよりますし人それぞれ違いますが、バランスが崩れてしまった足の負担を減らすケアをすることが早急に必要です。
先天的な足の疾患
身体全体を2本足で支えている人間はある意味奇跡的バランスを保っているといえます。
歩行することで体重の何倍もの力が足に掛かってきても、大きな身体をたった30cm弱の足で支えているわけですから。
もし、その絶妙なバランスを保っている身体にほんのちょっと変調をきたしたらどうでしょう?
ぐらついてしまう身体を一生懸命支える力が休みなく働いてしまいます。
そのため徐々に疲労となって表れてきてしまします。
病気、ケガの後遺症や先天的に足に疾患がある方はたくさんいます。
そんな方々の身体をサポートするために、足のケアは日頃から必要になってくるのではないでしょうか。
病名まで詳しく知りたい方は、必ず医師の診断を受けましょう。
勝手な思い込みで間違ったケアをすることが無いように気を付けることが大切です。
立ち仕事におけるカカトの痛み3タイプ
立ち仕事は内容によって大きく3タイプに分かれます。
- ただその場に立っている仕事
- 狭い範囲である程度一定の動きをする仕事
- 営業や現場作業など歩行が多い仕事
それぞれのタイプについて、カカトの痛みの原因を探っていきます。
ただその場に立っている仕事
検品や警備員、スーパーのレジ打ちなどもその場に立っている時間が長い仕事です。
本来適度な足の運動が行われることで、筋肉の動きがポンプの役割(ミルキングアクション)をして血行を促します。
しかし、長時間同じ姿勢でいることにより、足(脚)の筋肉が硬くなってきて血行不良を起こし、むくみが生じたりします。
体重を受け止めている足の裏も同じです。
足が元々持っているクッション効果は足を動かすことで発揮されます。
しかし、静止した状態では足裏に継続して負担がかかります。
つま先側では体重を支えきれないので、必然的に安定感のあるカカトに頼ってしまいます。
つまり、カカトが痛くなるのは長時間動きが制限された立ち仕事の環境が一つの原因になってしまうのです。
狭い範囲である程度一定の動きをする仕事
工場や厨房の中で作業する方が当てはまるのではないでしょうか。
繰り返し行われる制限された小刻みな動きによる身体的ストレス。
特にストップアンドゴーが多くなると、初めに足裏や側面の靴の当たりやす所に角質やタコとなって症状が現れます。
悪化すると痛みのある魚の目などに見舞われる場合もあります。
その多くはつま先側になるために、トラブルを回避しようと自分では無意識に、傷みのある所に荷重がかからないようにカカト側に頼ってしまいます。
毎日そのように他の痛みをごまかすことで、逆にカカトの痛みの原因になってしまう場合があるのです。
営業や現場作業など歩行が多い仕事
とにかくよく歩く仕事。
階段や坂道、舗装路や砂利道など人それぞれ置かれている環境で負担も大きく変わります。
また、持ち物が多いほど足への負担は増大します。
ただ、一つ同じなのはみなさんが「靴」を履いているということ。
つまりこの足に密着している靴(履物)こそが足へ及ぼす影響が一番大きいのです。
靴は本来足をしっかりサポートして快適な歩行を促すために作られた道具であるべきです。
しかし、近年薄利多売が生んだ弊害というべきか、機能性が軽視されることで大切な足をサポートする役割を果たせない靴が多くなっています。
残念なことですが、この中から自分に合う靴を選んでいかなくてはなりません。
もちろん種類も長靴や地下足袋、サンダル等様々あることでしょう。
ちょっと色々聞いてしまうと面倒と思うかもしれませんが、できるだけ自分に合った靴を選ぶための方法を、詳しく解説したいと思います。
自分で探せる見直すべきポイント
「足の長さの測り方」自分の本当のサイズを知る
まず自分のリアルな足長を測ります。
普通そんなに正確に知っているという方は少ないと思いますが、逆に数cm大きいと思っていたなんて方がゴロゴロいるのも事実です。
今すぐできる簡単な方法なので、ぜひ測ってみましょう。
- 壁際に立ってカカトを壁にくっつける
- つま先に触れるようにスマホを床に置く
- スマホが動かないようにそっと足をどかす
- 壁とスマホの距離をメジャーで測る
続いて幅の確認をしたいところですが、よく目にするEEやEEEなどの幅の表示は、実は幅ではなく足囲のことをいいます。
それを数値化して当てはめるのには少々無理があります。
というのも足は体重をかけた時とそうでない時とでサイズが変化し、特に足の幅や足囲の変化が大きいからです。
そのため足囲を測ってその大きさで幅広なのか細いのかを判断するのは危険です。
なぜなら
- 幅が広いのに足の肉付きが少ない人の足囲
- 幅は狭いけど足の肉付きが多い人の足囲
両者数値が同じことが多々あるからです。
ここで大事なのはただ一点、「自分の足長を正確に知る」だけでいいです。
仕事で履ける(履いてもよい)靴の種類をよく考える
仮に今自分の仕事で履いている靴をもっと適切なものに変更したいとします。
そんな時、
- 何を履いても良い
- 似たものであれば良い
- 支給されたものしか履けない
上記のいずれかのパターンになるかと思います。
1の場合はすぐにでも快適なものへと買い換えればいいです。
2は選べる範囲はとても限定されますが、よく考えて選ぶことで問題はクリアできるでしょう。
3の場合は一番足の悩みを抱えてしまう原因をつくるパターンです。
一応会社に他のものを履いていいか掛け合ったりしますが、断られたりするのがほとんどのようです。
というのも安全面や衛生上の問題などでそもそも対応している靴や長靴などの種類が少ないというのも理由の一つです。
ここはメーカーさんに声を大にして改善をお願いしていきたいところですね。
3の状況の方はインソールで改善するしかありませんので、下へ飛ばし読みしてください。
では、実際どのように靴を選んでいけばいいのか解説します。
靴の良し悪しを見抜く力を手に入れる
今まで自分が思うがまま靴を選んできて失敗しているともいえますので、選び方のコツをご紹介します。
実際の店舗やネットで探すにしても、まずその靴のコンセプト、いわゆる謳い文句を検索して調べること。
誕生に関わる歴史、成り立ちはとても重要で、足のことを考えているか否かそこではっきりわかります。
ですから根本的に足の健康に関することを靴の設計に反映されていないようなものは、足に不安を抱えた人が選んで履いてはいけません。
実際の店舗やネットで探すにしても、まずその靴のコンセプト、いわゆる謳い文句を検索して調べること。
誕生に関わる歴史、成り立ちはとても重要で、足のことを考えているか否かそこではっきりわかります。
ですから根本的に足の健康に関することを靴の設計に反映されていないようなものは、足に不安を抱えた人が選んで履いてはいけません。
これはもう言わずもがな。
そもそも足のことを考えている靴で甲を押さえられないようなものは無いはずです。
健康を考えてます的な謳い文句は素晴らしいが、「ゆったり」とか「脱ぎ履き簡単スリッポン」というようなものは注意が必要。
あなたの心の隙間を狙って買わせようとしています。
せっかく足にフィットするように設計されていても、靴の中で足が遊ぶようでは効果を発揮できません。
まず「脱ぎ履き簡単」「ゆったり」という言葉には注意。
自分で測った足のサイズを参考に靴のサイズを選んでいく。
靴に表示されているサイズの基準は、我々靴をつくる側からすると、足型の模型(ラスト)のサイズを靴のサイズとして表示します。
その足型にはいろいろなものがあり、例えば同じ25㎝でもつま先が丸いものから尖ったもの、細かったり太かったり。
これは設計する際に捨て寸(つま先のゆとり)を多く付けたり、デザイン上つま先を長く尖らせてみたりなどするためです。
そんなことがあるために、靴の口コミ、レビューを見たりすると「思ったより小さかった」「いつも履いている24cmより大きく感じた」など、不安になる要素が多く見受けられる原因となっているのです。
しかしその見た目にとらわれずに、サイズ選びで失敗しないために一番大切なことがあります。
それは「靴の曲がる所と足の曲がる所が一致すること」です。
これがしっかり合っていないと靴の中で足が前後に動き、少しずつ疲労を蓄積させる原因になります。
それを実現させるためには、
- 試着して歩いて確かめる
- よくわかっている店員がいるお店に相談する
- 通販なら返品交換が可能なところで購入する
1.は自分で試着してゆっくり確かめながら納得のいくものを購入するということ。
もし失敗しても、勉強代を払ったと思える方向け。
2.はシューフィッターならだれでもいいわけではないので注意が必要。
講習受ければもらえる資格もあるに越したことはないですが、より多くの足をみてきた店員さんの経験の方が大事です。
質問をしても的確な答えが返ってくる方に出会うのが問題解決のカギ。
3.は1.に似ていますが、やり取りに時間がかかって面倒な面がありますね。
今すぐ何とかしたいという方は、2.の方法がベストなのは言うまでもないですね。
ただし、近所にそんないいお店が無い方や、対面が苦手という方は、お問い合わせよりご相談くださいませ。
インソールで足の痛みを軽くする
それでは、インソールを靴に装着して足のトラブルを改善していきます。
はじめにお持ちの靴がインソールを入れるのに適しているか確認してください。
こちらのページで比較できます。
一般的な革靴(ビジネスシューズ)は中敷きが一体型でくっ付いて外れないものが多いですね。
パンプスなんかも同様です。
さて、自分の足のサイズも測って靴も足に合うものを用意した、もしくは今お持ちの靴を使用する。
それぞれ事情があると思いますので、3タイプに分けてインソールを紹介します。
- 中敷が取れる靴
- 中敷が取れない靴
- パンプスやサンダル
中敷が取れる靴におすすめのインソール
お持ちの靴が中敷が取れるタイプなら簡単にインソールを交換できます。
取り出した元のインソールの前足部の厚みを測ってください。
履き古しでつぶれていても現状のままで測りましょう。
厚さが3~4mm位で現状窮屈に感じていない場合はオールラウンドな「クッション3D」でOKです。
取り外した中敷を裏側同士でくっ付けてアウトラインをペンで書きます。
書いた線でカットすればすぐに使用することが出来ますので、とても簡単です。
中敷が取れない靴に入れることができるインソール
靴の中に元々インソールが入っていない場合は、取り替えて入れることはできません。
そのためそのまま中に入れることになりますので、窮屈にならないようにできるだけ薄いタイプを選びます。
スニーカーのようなタイプには「ウォーク・スリム」で問題なく入ります。
また、ビジネスシューズなどの革靴には、とても薄く強度があるものがいいので、「シティプラス」がぴったりです。
レディース用にも薄いタイプがいいですが、パンプスなど細いタイプにも入れることができる「シティプラスレディ」があります。
つま先側にあまりスペースがない靴にも入れられるハーフタイプもありますので、お持ちの靴に合わせて選べます。
足元が整ったら正しい姿勢と歩行を実践する
せっかく正しい足のサイズを測り、ぴったりの靴を選び、インソールを入れて足のケアをしようと思っても、肝心な姿勢や歩き方だデタラメでは意味がありません。
歩くときはいつもより気持ち大股で歩いてみましょう。
普段かかとが痛い人もインソールをプラスしている効果と歩幅を広く取ることで、かかとが地面に着地する角度が変わるため痛みが軽減されているはずです。
また歩行が少ない立ち仕事の方も姿勢から気を付けることで、足だけでなく身体全体への負担が軽減されます。
猫背を避けて身体を起こし足の裏全体に体重が分散されるようなポジションを心がけてみましょう。
初めは意識しないとできないと思いますが、継続することで習慣化され次第に足のトラブルも改善していくことでしょう。
まとめ
最後に立ち仕事で足のかかとが痛い原因とインソールで改善する方法をおさらいします。
- 足に合った靴にする
- 足の状態に合わせインソールを選ぶ
- 正しい姿勢と歩行を実践する
足と靴のいい関係を築くためのヒントになれば幸いです。